コンクリートスランプについて
コンクリートスランプとは、生コンクリートの粘度を図る値です。
この粘度が低いと固まった後のコンクリート強度が落ち、崩れやすく、コンクリートアルカリ質低下の原因にもなっています。
欧米ではスランプ10は当たり前で、日本ではスランプ18が基準です。
コンクリートスランプが小さければ、コンクリートが固まった時に固く割れにくくなり、スランプが大きいと柔らかく割れやすくなります。一昔前に水を沢山入れた生コンクリート、いわゆる「シャブコン」を使用して大きな問題となりましたが、スランプが大きいとコンクリートの故障となることは容易にわかると思います。
なぜ日本のRC建築はスランプ18の軟粘生コンを使用しているのかというと、おそらく施工のしやすさでしょう。実際に生コン業者が水増しした生コン(シャブコンと言われている物)は型枠に流し込みやすく、満遍なく均等に流れます。
しかしそれが後にクラックとなり、クラックから水が浸透し、鉄筋が錆びます。
また、苔・カビなどが発生し、コンクリートのアルカリ質が低下し、もろいコンクリートになってしいます。
日本の建築方法では8〜12年での修繕は不可欠ですが、欧米では考えられません。基本的に長期修繕などはほぼ無く100年以上の寿命になっています。
○国別の建物平均寿命
国名 建物の平均寿命
日本 30年
英国 141年
仏国 86年
独国 79年
米国 103年
日本でも飛行場・岸壁など長期間修繕が出来ない施設においてはスランプ5以下で造っています。
建物は30年持てば良いという思想で設計されていると考えられるのではないでしょうか。