外断熱改修について
相管ネットでは現在のところ外断熱改修をお勧めしておりますが、決して外断熱だけが良いと考えている訳ではありません。私共が知らない手法があったり、今後技術革新によって他の優れた工法がでてくれば、当然良い方をお勧めいたします。しかしながら現在のところマンション管理組合として外断熱以上のメリットがでる工法が見つかっていないため、各マンションにまずはアナウンスしております。
外断熱のメリット
外断熱の基本性能につきましては、各社ホームページに特設ページがありますので、以下を参照下さい。
外断熱のメリット(グーグル検索)
管理組合としてのメリット
○修繕費抑制
外断熱改修を行うことで外壁の劣化原因が少なくなることから外壁改修を行うことが無くなり、更新工事が圧倒的に少なくなります。そのため管理組合の検討事項としては、各種防水・配管・建具等となり、多くは修繕費が抑制されバリアフリー化や防犯対策など、他の出費に回すことができます。
※改修手法次第ではこの効果は半減されますので、実績のある方に設計依頼することが求められます。
○管理組合業務の簡素化
外壁改修が無くなることから修繕委員会設置などが減少し、管理組合がソフト的な部分に時間を費やすことができるため、マンション適正化に近づきます。
○漏水問題が解決しやすくなる
外断熱改修マンションでは結露はほとんど無くなりますので、マンションで多く見られる「結露なのか漏水なのか判断ができない」ということが無くなり、解決が容易になります。
注意
○資産価値向上?
「外断熱を行えば資産価値が向上します」と記載のあるホームページがありますが、生活価値や管理組合としてのメリットは沢山あるとは言え、現在のところ不動産価値が自動的に上がるということはありません。
なぜなら現在のところ不動産価値の基準は立地・竣工年・部屋の位置(最上階や角部屋)等で決まり、断熱材の有無や断熱改修等の評価はほぼ無く、良くても摘要欄に「外断熱改修実施」と記載がある程度で、簡単に不動産価値が上がらないシステムになっているからです。
○設計次第で外断熱のメリットは半減します
外断熱改修の設計次第では修繕費抑制効果が少なかったり、断熱効果が薄くなったりするので、実績のあるコンサルに依頼することが必要です。
○タイル張りのマンション
塗装のマンション場合、大規模修繕時の外観変化は当然ですが、タイルのマンションの場合はそういった変化が無いのが一般的で、外断熱を採用した際、所有者の外観の変化に対するアレルギーでなかなか合意形成をすることが困難な場合があります。
○外断熱改修の実績
マンションの外断熱改修は2012年6月現在、着工中を含め20管理組合(神奈川6東京3北海道10他1)でまだまだ実績が少ないように感じますが、学校やビル等では近年数多く行われている工法です。